『受講者からの便り』(2004年)


『受講者からの便り』は研修後に頂いたメール等の一部を時系列に並べております。
掲載時期をずらし、個人や組織が特定出来ないよう必要最小限の編集をしておりますが、
受講者の”
生の声”を皆で共有化して活かせればと願っておりますので、ご理解ご了承ください。


2004年 メールの内容

矢野 正 様

先日研修を受講した、●●●●と申します。
研修では大変お世話になり、ありがとうございました。

実は自分は今、落ち込んでいます。
研修が終わって早々、妙なことを言いますが、
少しお付き合いください。

1日目の研修後、娘の先天性の疾患が発覚しました。
いずれ手術による治療が不可欠とのことです。
今後まだまだ詳細な検査が続き、
場合によっては手術を急ぐケースもあるとのことです。
誰のせいでもないのですが、特に妻の落ち込みはひどく、
表向きは強がっていますが、この2、3日寝つきが悪いようです。
周りにも随分心配をかけています。

研修2日目終了後の感想カードには奇麗ごとを書きましたが、
正直、娘のことが気がかりでいま一つ乗り切れませんでした。
決して嘘を書いたつもりはないのですが、
周りを気にして少し格好をつけてしまうのが自分の悪い癖です。
反省しています。

ただ、研修プログラムの中で、仕事の目的を書いてみた時に、
「家族を守る」という第一の目的が明確になったことで、
今は自分の中に何か柱のようなものが、
一本立ったような実感があります。
落ち着いたら妻にも見せるつもりです。

つまらないことをダラダラ書いてしまいましたが、
自分なりに家族のために仕事に家庭生活に頑張っていこうと思います。
今日はお付き合いいただきありがとうございました。
またメールで報告します。

追伸:矢野先生、そしてキャリアデザインという素晴らしい研修に
   出会えた幸運に感謝します。
 

矢野 様

ご無沙汰しています。

研修の最中に娘の先天性疾患が発覚した者です。
今日はその後の報告をさせていただきます。
お付き合いください。

結論から申し上げますと、
娘の病気は検査・入院・手術を経て完治しました。
家族一同、今はほっと胸をなでおろしているところです。

   (中略)

嵐のような数ヶ月でした。
その間、娘に付き添う妻は本当によく頑張りました。
こんなに強く、また、心優しい人にめぐり合えた自分は
本当に幸せ者です(ノロケてすいません)。

また、入院中に長女の世話をお願いすることになった
妻の実家には本当に感謝です。
いくら言葉を尽くしても尽くしきれません。
わがままな娘ですが、無条件に愛情を注いでいただきました。

さらに忘れてならないのは、検査入院、手術入院に際し、
数日間、あるいは長期間にわたって職場を離れざるを得なくなった
自分の業務について、快くバックアップしていただいた
上司の方々、同僚・後輩たちの存在です。
こんなにも自分が周りに支えられていることを実感したことは、
これまでにありませんでした。
素晴らしい仲間に出会えた自分は本当にラッキーです。

地元の総合病院では症例のないということで、
私達の意志を尊重し、急な手術が可能な医療機関へ紹介して頂くという、
迅速な対応をとっていただきました。
県内にこのような医療機関があることを誇りに思います。

最後に手術を行っていただいた病院スタッフのみなさん。
迅速な外科手術と術後のきめ細やかな体調管理、
また、患者だけでなく付き添い家族に対しても配慮された
素晴らしい環境を提供していただきました。

長々と書きましたが、
娘の病気は術後の経過も順調で、完治したとのことです。
今後は、制限もなく、傷跡もほとんどきれいになるそうです。

とにかく今の自分の嬉しい気持ち、
また、安堵した気持ちを報告したくてメールしました。

長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
失礼します。
   

矢野 正 先生

おはようございます。
恐れていたとおり(?)に、今日は日曜出勤です^^;
研修はたいへん楽しかったです。

メンバーは最強でした(^^)
このメンバーとはきっとこれからも何かの折に
よい関わり方ができそうな気がして、
早速、KさんとNさんにはお礼のメールを送りました。

わたしは、今も通院と投薬、
それにカウンセリングを受けていますが、
やはりカウンセリングを受け続けてきたことが、
とてもよかったと思っています。
病気になるまでの自分の過程、特に仕事の進め方について
客観視して振り返ることができ、そこから振り返って、
自分の「こうしたい」という有り様を描けるようになりました。

そんな中での今回の研修。
「キャリア」というタイトルには正直戸惑いましたし、
決して今後の自分をポジティブに向上させようとは思えなくなっています。
病気を経て、地位や名誉、お金といったものには
本当に執着心がなくなりました。

ただ、30代の頃の過剰なまでに自信に満ち溢れていた自分とは違う、
淡々としながらも、そんな中で仕事や社会生活の中で
果たせる自分の生きる道、役割がきっとあるのだろう、
という気持ちが今回の研修を受ける中で沸いてきました。
先生の目指す研修の趣旨からははずれてしまっているかも知れません。
申し訳ないです。

でも、5年弱という病気の期間があったことは、
私にとって決して無駄ではなかったし、 後悔もありません。
病気を経て、それまでとは違う肩の力が抜けた自分の生き方が
見つかったことにむしろラッキーと思っています。
いけないでしょうか?

2日間はとても短かったです。
先生や今回であった方々とはもっとお話がしたかったな、と思っています。一期一会なのかも知れないですが、
いずれまたどこかで、先生とお会いできればと思います。
先生の益々のご活躍をお祈りしています。
                             
研修終了後、「学校事務職員」さん、
しかも3名の方からメールを頂きました。
ご本人たちの了解を頂いた上で、三部作として掲載します。

前略

早速にメールをいただいており、大変恐縮しています。
間違ったアドレスを書くなんて、おっちょこちょいなのでしょう。

これまで自分がどうして学校に??と思って仕事をしていました。
だけど、学校に勤めていて良かったと思うことが、
年を重ねるごとに増えてきました。
そして人的財産もあり、困ったときには助けてくれる先輩もいるし、
こんな私でも慕ってくれる後輩にも恵まれています。
だけど、このまま学校事務でいられるのだろうか?
という心配もあります。

若い頃には、いつかは知事部局に行きたいと思ったりもしました。
知事部局との人事交流もできるようになりました。
実際、学校事務から知事部局に行く人はいても、
逆に知事部局から学校事務に来る人はいないんですよね。
やっぱり教員ばかりの世界では、
行政職は水を得た魚…には程遠いんでしょうか。

だけど、私はいろんな「できればしなくてもいい」経験をとおして、
こどもたちから色々なものをもらいました。
これが、私がこの仕事についてよかったと思える出来事だと思います。
この体験があればこそ、どんな苦難も超えられるのではないか?
と思うこともあります。
どうやら「私のこれからの自分を描く」の
勤労修行コースになりそうですね(*^_^*)

2つの経験のうち一つは、
思いがけないことがすごくうれしかったことです。
そして、もう一つは
時々、仕事がしんどいときや、つらくなると、
一人で車を運転中にそのときに戻ってしまいます。

先生もおっしゃっていましたよね
「無駄な経験はない」と。
私もそう思います。

ちょっと長くなりましたね。
次回には強烈なキャラの事務職員が参加しますので、
楽しみにしていてくださいね。
 

矢野さん、
2日間にわたる研修、ありがとうございました。

私の夢…というか、野心は「学校を変える!」です。
その野心(夢)に向かっていく決心がまた固まりました。
少々長くなりますが、お付き合いください。

私は18歳の時、いったい何になりたいのか、
これからどう生きていくのか分からなくなりました。
高校は進学校だったので、周りの友達は
「大学に行って進路を決定する」とか
「○○になりたいから、☆☆大学に行く」
という感じで進学していきました。
私は、夢も進むべき道も分からなくなったので、
もちろん勉強にも専念できませんでした。
だから見事に、自宅から通えるというだけで志した、
地元の国立大学も滑りました。

同じ時期、両親から公務員試験を勧められました。
私は反発もあり、
「公務員には絶対ならない!
 事務員も暗そうな仕事だからいやだ!
 人と接する仕事がしたい!」と。
しかし、一年間予備校に通い、
その間受けたのが公務員試験。
3月まで試験勉強したくなかったし、
公務員試験は10月頃にあり、
手っ取り早かったのです。

ところが、なんと受かってしまったのです。
絶対なりたくなかった公務員、
そして職名が「学校事務職員」。
最初の一年はとにかく辞めることしか考えていませんでした。
しかし、辞めてどうするかと考えたら、
これまた迷い道に迷い込んでしまい、
結局それから数年間、
目標ももたずなんとなく仕事をしていました。

しかし、ある先輩ベテラン学校事務職員さんが
勉強会で話をされました。
「学校は旧体制で仕事をしている。
 昨年度の行事等、提案文書の日付を変えて職員会に提案すれば、
 議論もなくとおってしまう。変化を好まない職場。
 だから、変えるやりがいがある。私が変えてやろうと思う。」
私がなんのために仕事をするのか、はっきりした瞬間でした。
一つの組織を自分が変えていくって、
すごく魅力的だなって思ったのです。

現在学校には正規の事務職員は必要ない!と言われています。
我々の給与の半分は国が負担しているのです。
いわゆる義務教育費国庫負担金です。
これを廃止しようとしています。
現在、小さな学校にも事務職員が配置されていますが、
義務教育費が廃止されると、
真っ先に教壇に立たない我々に、
”いらない”というレッテルを貼るのです。
そうなっちゃ〜私の18年は無駄になってしまう。
学校に事務職員がなぜ必要なのか、
おいおい説明していこうと思っています。

学校には、全校40人の学校にも、全校500人の学校にも
事務職員は1人しか配置されていません。
けど、小さいから楽・大きいから大変ってことはないのです。
どこも大変なのです。
けど、どこの事務職員も、
結論は「子どものため」に働いているのです。
学校は子どもがいてこそなりたっています。
子どもがよりよい環境で学校生活をおくれるように、
そして、多額の税金が使われている学校現場で、
少しでも教育効果があがるよう、考えてお金を執行しています。

そう考えたとき、まず自分が楽しんで、
主体的に仕事をすることが第1だと思っています。
自分が満足していたら、
周りの人にも絶対還元できると思っています。
私は学校事務職員しかしたことないけど、
この仕事が好きだし、
この仕事を極めようと思っています。
全校の事務職員の仲間から「■■県の○○」って
噂されるような事務職員になりたいです。

長くなりました。
すみません。
またメールします。
ありがとうございました。
  

矢野先生

本当にありがとうございました。
もう少しだけ、この研修の感想を書かせてください。
読んで下さるだけでよろしいので。
 
そうそう!
あの後また2時間ほど、すぐ前の事務所で、
Mねえさんと行動を共にしていたのデス。
彼女とは、一昨年からの急接近、おつき合い。
もちろん?性格は違います(笑)が、同じ匂い?がする、
目指している方向が一緒なので、
何かと一緒になる事が多いのです。
今回の研修だって談合なし!
申し込んでみたら、彼女も申し込んでいた!!!
それは、Yちゃんについても同じ。
彼女は同期の桜。
2人ともなくてはならない仲間です。

さて、彼女らは積極的?なのですが、
私は少々控えめです…(???)。
研修の最後も“矢野先生にお礼を言って帰りたいな…”
と思ったものの、名を名乗り、
決意表明して帰るほどの者ではないよなぁ…なんて。
(これが私の悪いところでもあるのですけど)
しかし、その後控え室にてまたお会いすることが出来、
夢のような構想(空想?)を聞いてくださっていたとのことで、
うれしいやら、はずかしいやら…。

じ、実は、研修の初日では少々凹んで帰りました。
私の構想に向けて日々学校現場では戦っているところなのですが、
前々日にも管理職と衝突したばかり。
そして、違う職場の県庁の方々のすごさ、
自分の小ささ、甘さにガックリして帰ったのです。

しかし、昨日の研修、お昼をMねえさんと食べながら、
向かって行きたい方向と、日々の状況のギャップ、
理想と現実の差…なんだか虚しさに苛まれていたのですが、
私は午後から、巻き返しが図れました。
いろんな人々に支えられながら、
支えられてこそ自分があることに気づき、
自分自身は確かにまだまだ小さいかもしれないけど、
大きな周りのいわゆる人的財産を活かして、
大きくなれる要素はある、やっぱり未来は明るい!
なんて思えて来たのですよ。

研修を終えて家へ帰り、同僚に学校の様子を探りがてら、
メールを送りました。
それと併せて、キャリア研修がいい研修だった旨を伝え、  
 私 ;「私も最近いろいろ虚しかったけど、
     もう一回がんばってみる。」
 彼女;「私も気づいて言える範囲で、少しでも力になれるように
     頑張るつもりです。もう一回頑張りましょう。」
なんて返信があって、非常にうれしかったです。
彼女も職場における人的財産。
二人で一人分かもしれませんが、
何らかのパワーを学校の中でも発揮させてみようと思います。
(また、おおきなこと言っちゃいました〜〜〜)

浮き沈みの激しい私(達?)ですが、
今後ともよろしくお願いいたします。