受講生からの便り(8.1)


No.8 .1
2000年10月9日〜10日(某メーカー):35歳の技術係長さん
 

拝啓 矢野 正様
今年の10月に、「キャリアプラン研修」を受けさせて頂きました。「今の状況では研修での内容を受け入れにくい」旨の感想を書かせて頂きました。
あれからしばらく時間がたち、自分なりにもいろいろと考えるところがあって今日メールを書かせて頂きます。このメールは長くなりますが最後まで読んで頂ければ幸いです。
「今の状況では研修での内容を受け入れにくい」と思った理由は、「過去を振り返りたくない」「思い出したくない」というできごとが自分の中にあったからです。
私は入社当時、あるクラブのコーチとして働いていましたが、この仕事を病気のためにやめてしまいました。とにかく今考えると本当に「ひどい」状態に陥ってしまい、いろいろな薬を併用するようになり、会社も長期にわたって3回ほど休んでいます。
この事は、私にとってはできるだけ思い出したくないことであり、気持ちの中では“臭いものに蓋”のようにしてきました。
コーチの仕事3年間で作ってきた人間関係や、またこの時期「いつかはプロの指導者になってチームを率いたい」という夢がありましたが、その夢もなくしてしまいました。

そんな事もあって、できるだけ思い出さずにいた“臭いものに蓋”的な事柄に外部の要因で(会社の教育と言う形で)触れさせられることがどうしてもすぐには受け入れられずあのような感想になったのです。
しかし、あの教育機会、先生との出会いがこの事をもう一度自分のなかで整理し考え直すきっかけになりました。この事はこの事で自分の中にしっかりとおさめ、自分の一部分として逃げることなく、これからも向き合っていきたいと思うようになれました。

幸い、コーチの仕事を離れ今のPC・ネットワーク関係の仕事についてしばらくして、薬の服用もなくなりました。今は「IT」の最先端で購買関係のネットワークというやりがいのある仕事に恵まれており
これから5年程度をかけて企業を支える購買ネットワークを構築するため、購買チームの一員としてその責務を果たして行こうと思っております。
あらためて、あのような失礼な感想を書いたことこの場をかりてお詫びします。
(本当はしっかり教育内容を受け止めればいいことは分かっていたのですが、自分自身の中で整理するのに時間がかかってしまいました。)

このメールを書くもう一つの理由があります。
あの教育の時に話せなかったことですが実は私「プロ馬券師」になりたいのです。
(本人いたってまじめですので続けて読んで下さい)

競馬を始めたのは、今のPC・ネットワーク関係の仕事を始めた直後ぐらいでしょうか。
なんとなく友達に連れられて行ってからです。
結構のめりこむタイプですので、2〜3年小遣いのほとんどを遊んでいました。
しかしある時期、一人のプロ馬券師の本に出会い自分もプロ馬券師を志すことになります。
私が勝手に師匠と思っているその人は、「競馬は投資として成り立つ」が持論です。
(そんなこと言ってもギャンブルはギャンブルだといわれればそれまでですが実際にこの方は、競馬だけで年間3000〜5000万確定申告をしています。)
JRAの競馬は土日、多い時で合計72レース行われます。
儲けるチャンスが72回あるわけです。が当然お金がなくなるチャンスも同様にあるわけです。
じゃあどのようにしていけばよいのか(レースを絞ってかけていくか、何を基準にするのかなど)研究しだすと非常に奥が深く難しくなっていきます。
統計の勉強も始めました。
教育の時に例としてあげましたが、日本の競馬新聞、あれほどすばらしいデータベースは世界中のどの国に行ってもありません。
それを高度な統計処理によって分析することで儲かっている予想家もいます。
馬の血統本など関連の図書を何冊も買って読んでいます。
本当に勉強すればするほど難しくなっていきます。
プロの馬券師が、予想したレースをすべて当てられるかというとそうではなく、素人が2割くらいの的中率に対して3割、良く当たる人で4割程度だといいます。その3割の的中率に加えて「勝負どころ」「資金配分」などプロとしてのノウハウがあるようです。

将来は、純粋に投資としての「競馬投資会社」を設立したいと考えております。今はその研究と資金作りの時期として取り組んでいます。よくスポーツ新聞などにデカデカと広告を掲載している競馬予想会社がありますが、ああいうふうに予想を売るつもりはありません。
無謀に会社を飛び出して家族を路頭に迷わすようなことをするつもりもありません。しっかりと基礎を固めて競馬での儲けが年収を上回った時に独立しようと思います。
今年は少ない小遣いの中でがんばって、とりあえず年内負けなければですが+30万くらいで終われそうです。(額が一桁以上違うのでお恥ずかしい。ただそのうち20万は嫁さんのノートPCに消えてしまいました。おかしいですか?)
来年以降もコツコツと資本金を作るべく、がんばっていきます。

投資会社まで作ってお金を生み出したい理由は何らかの形で障害者福祉に役立てたいからです。
大学院時代に障害者の体育を勉強しました。
そんな事から障害者福祉やボランティア活動などいずれは生涯にわたってやっていきたいと思っています。
今は自分が家族を養って生活することに精一杯な部分もあるので、身近でできる範囲での活動にとどまっています。
確かに私が大学院を卒業した頃に比べて社会が進歩したとは言いつつもまだまだ問題はたくさんありますよね。(例えば道路の段差の問題。自分も車椅子で町中を走ったことが有りますが、チョットした段差でも車椅子が進めないところ、いっぱい有るのです。)
そういった問題を解決するにも結局「費用」がいるじゃないですか。
国費や公共の税金、企業の寄付などお金を生み出す方法はいくらでもあるとは思います。
でも、私はこの方法で何とかお金を生み出してみたい。
今、私はサラリーマンで「企業のかんばん」を背負っていますので、銀行にいけば100万ぐらいならば企業の顔で借りられます。でももしそれが無ければ多分借りられませんよね。
でも競馬なら100円からやれるのです。一回で100円がウン百万にはなりません。
でも自分として研究をして、ルールを作ってレースを絞り、かけ方を工夫して行くことで少ないお金を大金に膨らますことは可能だと思っています。
実際それを為し得ている人が世の中にはいるのですから。
「お金がないと障害者福祉に役立つことはできないのか」と思われるかもしれません。それは正しいと思います。でも実際のところお金が必要なのは確かだと思うのです。障害者福祉に対してもっと違ったアプローチの仕方があるとは思います。
でも、私はこの方法でやってみようと思います。
「何を寝ぼけたことを」「現実を見ろ」という声が聞こえてきそうですが、今は企業の一員として責務をまっとうしつつ夢を追いかけたいと思います。

先生に出会えて良かったと思うのは、一度は、夢も希望も自信も病気のために失った私が、しっかりと過去と向き合うことでハッキリいって開き直れたことです。
失うものは何もありません。
これからでっかい夢に向けてがんばりますよ!

先生に何かの機会に再会できることを楽しみにしています。
それまでお身体に気をつけてがんばってください。
敬具